top of page

トランプが歴史を変える

  • 執筆者の写真: Frontier Valuation
    Frontier Valuation
  • 4月4日
  • 読了時間: 3分

アメリカ合衆国のトランプ大統領が4月3日に相互関税として各国に上乗せ関税をかけると発表し、世界を揺るがしている。 これまで世界は自由貿易を指向してきた中これに反旗を翻した形である。一期目のトランプ政権でも自由貿易に対する否定的な姿勢が見られたが、二期目となり、よりはっきりした形で政策の実行に打って出てきた。


関税が世界的に与える影響については高名な学者やエコノミストの方が諸説発表しており、否定的な意見が大勢である。株式や為替の市場も米国に対してネガティブな反応を見せているし、もちろん経済学の教科書にも関税は厚生の損失を生み、総余剰を最大化させない、つまり最適配分は達成できないとしているからネガティブな見方が出るのは当然である。

しかし、世の中の常識に対し革命を挑むのがトランプ氏の真骨頂だから、ディープステートの基本のひとつである経済学の常識は”フェイク”として一蹴されるだろう。


関税のみならず、脱炭素や人権問題にもこれまでの流れをは真逆の方針を次々と打ち出すトランプ氏であるが、観察していると彼の思う通りには世の中は動きそうにない。少し大げさに言えば面従腹背で嵐が通り過ぎるのを待つといった印象である。 脱炭素の問題では化石燃料を掘って掘って掘りまくれとはいうものの、エネルギー開発はコストの問題が非常に大きく、低コストでエネルギーを産出できなければ市場で淘汰されてしまう。また、化石燃料以外にも様々な資源があるが、金属資源は需給バランスが崩れているものも多い。例えば銅線泥棒が多発しているように、銅の供給は減っているが需要に対して鉱山開発が進んでいないのも一つの要因である。鉱山開発も大統領の任期中で何とかなるほど生易しいものではなく、さらに鉱山開発は周辺住民に多大な健康被害を及ぼすリスクもあるし、経済的に採掘できる資源量自体が減っているという指摘もある。掘って掘って掘りまくるのは結構だが、資源は有限なのでいつかは枯渇するし、掘る量を増やせば枯渇の時期も早くなる。 温室効果ガスによる気温上昇がフェイクだとしても、資源の枯渇は避けることができないから、まともなビジネスマンは言いたいことを言っている大統領の言うことは表面的に聴くふりをしつつ、しっかり持続可能性を睨んだ経営は堅持しているのが実態のようである。 もともと、アメリカの場合は大統領が国民の直接選挙で選ばれ、ドラスティックな政策変更が起こりうる国だから、権力から干渉されにくいシステムはある程度兼ね備えた国である。日本のように一つの政党がずっと政権を握り、システムに組み込まれている場合は政権交代で突然風向きが真逆になるようなことは考えにくいが、アメリカではそれがありうるから、統治機構はもとより、財政面でも財団により運営されるなど、独立性は担保されている。 しかし今回は、国家の統治機構を大統領令で次々と破壊していく暴走ぶりだから、果たして政権からの干渉に対し独立性を保てるかが問題になる。幸い会計分野や鑑定の分野に対する大統領の干渉はあまりないようだが、MAGAを達成するため、会計分野などに横やりを入れてくる可能性も全くないとは言い切れない。 どこに転がるか分からない政治リスクに経済が翻弄される世の中になってしまったが、しばらくは続きそうである。トランプ氏の思うように歴史を変えられるかは分からないが、少なくとも歴史が変わったことだけは確かである。

Commentaires


© 2023 フロンティア資産評価研究会 - Wix.com で作成されたホームページです。

  • Black Facebook Icon
  • Black Twitter Icon
bottom of page