近頃、話題のChatGPT。 ChatGPTをはじめとする生成AIは学習して進化してゆくので、やがてホワイトカラーは全滅。税理士、会計士は仕事がなくなる等と喧伝されています。 鑑定分野も隣接する分野ではありますから、似たようなものと思っていて損はないでしょう。 今年の3月ごろから時々使っていたのですが、先日知り合いの大学教授のセッションを聞いて、あらためていろいろな使い道があることを発見しました。 そこで試しに日本の歴代首相の一覧表を作成してもらう実験をしました。 ChatGPTは入力した内容を学習のために使用するといわれており、業務に関する情報でテストすることは情報漏洩の危険があることから控えなくてはなりません。 日本の総理大臣であれば誰でも知っている情報で、厳格な手続きに基づいて任命されますので客観的事実があり正確性について検証可能です。また、万が一修正がある場合でも資料は充実しているので情報を与えることも容易です。そのため、題材として使うことにしました。 ChatGPTは辞書的な使い方、Google等のサーチエンジン替わりに使うのはNGといわれていますので少々微妙かもしれませんが、何かを知るきっかけになるかもしれませんので試してみました。 日本の歴代首相というと明治維新以降になってしまいますが、それだと量も膨大になってしまいますので、1960年以降に絞って一覧表として出してもらいます。 ChatGPTはテキストベースはもちろん、表形式での出力も可能です。
質問が「日本の総理大臣の氏名」とすべきところを「日本の総理大臣の”使命”」と誤変換してしまったので、ちゃんと反映してくれています。
戦後なのに伊藤博文氏が入っていたり、東京都知事にはなったものの首相にはなっていない石原慎太郎氏が入っているところや、首相の空白期間があるあたりは「やはり」といった感があります。但し、よく考えてみれば、少なくとも首相か首相に近いポジションにある政治家を列挙しているあたり、かなり知能を持っていると推測できます。またChatGPTは2021年までのデータしか持ち合わせていないため、菅義偉前首相が現職になっているのは仕様上の限界といっていいでしょう。
表の一部を直すべく、細川-村山首相の間に存在した羽田首相を加えるべく、情報を提供してみます。 Wikipediaにある羽田内閣の情報を提供し再構成してもらいました。
変化がありません。
と思ってスクロールしたら、末尾に記載されていました。 「あればいいんでしょ」的な対応ですね。 さらに海部内閣についても情報を入れてみました。 ちなみに総選挙を経ていますので第1次、第2次の2回があります。
作り直しをお願いして
今度はそつなくこなしたと思ったんですが....
2つになってしまいました.... 流石にここまでくると首相官邸のホームページに行った方が早いでしょう。 得手不得手はありますが、こちらは不得手なことだったようです。とはいえ、情報を与えれば反映してくれる(思い通り反映してくれないことも)こと、間違いはあっても当たってはいないけどまったく頓珍漢な間違いとは言えないレベルであること(逆にそれだから知識がないと間違いに気づきにくい)といったChatGPTの実力が垣間見えます。 もう一つ注意したいのは、ここでやったことを真似してやってみようと思っても再現性がないことです。おそらく、もう少し違った答えになるはずです。ビジネスで使う場合、再現性がないということは致命的であったりします。もともとAIは結論を導く過程がブラックボックスで検証が難しいと言われており、早期に駆逐されるとされている専門家が割としぶとく残るかもしれないと思う理由がこの点です。 知り合いの大学教授が検証したところでは、今のところ簿記もあまり得意ではないそうです。 使い方が悪いのかもしれませんが、使うにしてもそれなりの仕込みは必要で、ChatGPTに仕事をやらせてカフェブレイク...なんてことは現時点ではあまり現実的ではないと言っていいでしょう。 ちなみに「広島の岸田文雄さんについて説明してください」と聞いたら「原爆投下時に広島市長でその後総理大臣になった人物」と返してきました。「なぜ原爆投下時の市長なのに生存していたのか?」と聞いたら「たまたま視察に出かけていたため市外に出ていて難を逃れた」と返してきました。ストーリーはある程度緻密にできているようですので、小説を読むつもりで話しかけてみると楽しむことができます。 その他、一般に言われているようにプログラミングにも強く、Arduinoも簡単なものであれば動かすことができました。 まだ、適所を見つけて使うというのが最適解ですが、AIは様々なものがあって、それが全体が驚異的なスピードで進化しており、人間との自然な会話にが可能となり付き合いやすくなったものがChatGPTなのだそうです。 さらに違った形のインターフェイスを持つ生成AIが出てくるのは間違いないでしょうから、柔軟に付き合い方を変えていくことが必要でしょう。
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