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Hideyasu Matsuura

猛暑でエアコンが効かない

今年も暑い夏がやってきました。 1980年代は気温が30℃以上になると非常に暑い日というイメージがあって、8月後半になると最高気温が30℃を超える真夏日は少なかったと記憶していますが、近年は9月でも真夏日は当たり前になってきています。 お陰で、若い頃はどちらかというと恐る恐る着ていたような印象だった半袖のワイシャツも出番が増えています。 先日タワーマンションに住む知り合いから「夏はエアコンが厳しい」と言う話を聞きました。改装は真ん中より少し上くらいなのだそうですが、日差しが強くてエアコンを全開にしても昼間はあまり涼しくならないのだそうです。 他のタワーマンションに住む方から聞いた話では非常に日当たりが良くて壁紙の劣化が早く、クレームが出たのか売主が交換したとのこと。 陽当たりが良いということは、冬はいいものの夏は暑いということでもあり、良すぎる陽当たりが原因のひとつなのかもしれません。 日本国内で販売されているルームエアコンは日本工業規格(JIS)によって満たすべき性能が定められているため、大半のルームエアコンはJIS規格に沿った摂氏43度にまで対応出来る能力があるそうです。 したがって43℃を超えてしまうと、エアコンもお手上げということになってしまいます。 機種によっては50℃まで対応出来るものもあるのですが、その分お値段も高く、一夏の限られた期間のためにその分のコストを負担する必要があるのかという話になってしまいます。 タワーマンションの特に上層階では、遮るものもなく日射しを直に受けるでしょうし、真夏は下からの照り返しもあるでしょう。 また以前、真冬に高層のオフィスビルの実査を行ったのですが、上の階から下の階に向かって調査していったところ、窓の結露が下の階に行くに従って少なくなっていくことに気づきました。つまりは暖かい空気が建物の上の階に溜まっているということです。マンションの場合、部屋が区分されていますので、オフィスビルよりも空気の移動は小さいのではないかと思いますが、それでも少なからず影響はあるでしょうから、冷房しない場合の室内が43℃以上になってしまっているのかもしれません。 地球温暖化の進行で今後さらに気温が上昇すると、エアコンも頼りにならない夏になってしまうのかと思うのですが、建築の専門家に話を聞くと、エアコンの能力に頼るよりも、直射日光を遮ったり、建物の断熱性能を向上した方がコストパフォーマンスが高いといいます。 国土交通省でもゼロエネルギー住宅(ZEH:略して「ゼッチ」と呼ばれている)やZEHの商業ビル版とも言われるゼロエネルギービル(ZEB)を推進する施策を打ち出しています。 電気料金も高騰していますので、これ以上暑い夏は勘弁して欲しいところですが、エアコンだけでなく、遮熱対策などの建物の性能にも注目した方が良さそうです。


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