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日本工作機械工業会が、11月10日に2022年10月分の工作機械受注速報を発表した。
受注総額の速報値は141,114百万円で前月比93.5%、対前年比では94.6%で2年ぶりに前年同月比の実績を下回った。好不況の判断の目安とされる月間受注額1,000億円は21か月連続で上回っており、受注額自体は引き続き高水準を維持している。世界的に半導体や新エネルギー車の需要が強く強含みの傾向が続いていたが、インフレーションを抑制するため、日本以外の各国で金融引き締めの傾向が強まったことが影響したとみられる。 2年あまり拡大基調を続けてきたが、後退局面に入ったと見て良いだろう。
地域別では内需は44,574百万円(前月比85.0%)で、外需は96,540万円(前月比 98.1%)であった。9月は日本国内からの需要が前年同月比に比べて減少し、外需は前年同月比を上回っていたが、10月は双方とも減少となった。外需は円安の影響も考えられるため、9月の段階でも円安が受注額を押し上げていた可能性もあったが、10月は受注額ベースでも減少しており、後退色は一層鮮明になった。 一般的に工作機械の受注額は景気の先行指標と言われており、年明け以降は全体の景気にも波及する恐れがある。 今後は、好不況判断の目安とされる受注額1,000億円のラインをどこまでキープできるかに注目すべきであろう。
2022年9月分の受注確報は11月1日に公表されている。 地域別ではアジア向けが特に好調であった。内需の産業別では自動車、精密機器向けが強い他は軒並み前年に比べて減少となっている。 コロナ禍以降では海外に比べて国内の需要の回復が遅れ、需要の減退は海外よりやや早く訪れている。今ひとつイノベーションの波に乗れない日本経済の厳しさが浮き彫りになっているとも考えられる。
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