top of page

いじりすぎない方が上手くいく?

執筆者の写真: Frontier ValuationFrontier Valuation

日本は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大第2波の渦中にあるといわれている。緊急事態宣言で外出あるいは経済活動を制限され、経済的に苦境に追い込まれている人も多い中、更なる緊急事態宣言の発出には及び腰になるのも無理はない。しかも、緊急事態宣言による外出制限が解除された途端に感染拡大したのだから、永久に外出制限を課しておくことができない以上、どこかで感染拡大は覚悟しなければならないのかも知れない。


一時期、制限を強めなかったために人口比で欧州最悪レベルの死者数となってしまったスウェーデンであるが、ここに来て落ち着きを見せているという

新型コロナ「第二波がこない」スウェーデン、現地日本人医師の証言(FORBES JAPAN)
https://forbesjapan.com/articles/detail/36353

時折、「物事は強引にいじるよりも、ある程度流れに任せた方が上手くいく」というような"格言"を耳にすることがある。医療の専門家ではないので以下は戯言となるが、もしかすると、こうした感染症というのはある程度社会に蔓延して初めて共存できるものではないのかと思っている。感染爆発、医療崩壊をいう混乱に陥ったとしてもある程度の時間が経てば収束しており、今のところCOVID-19の感染拡大で絶滅した国家がないのは事実である。

また、こうした修羅場を経験した国の方がその後比較的静穏を保っているように思える。

そうなると、修羅場を恐れてマイルドにやり過ごそうとするとその分、時間もかかり、行動制限などによる社会的損失が大きくなる可能性もある。


COVID-19への対策の成否は恐らく中長期的に観察した上で検証しないと確定的に評価はできないことは間違いない。途中経過で上手くいっているように見えても、後々社会全体で総合的に考えるとあまり良い結果ではないということは十分起こりうるだろう。


スウェーデンの対応はある程度理にかなっている。延命治療かそれに近い状態になる高齢者の死亡については死亡の時期を少し早めるだけと捉えるのは一見ドライな対応ではあるが、

QOL(Quality of Life)という視点を入れると合理的である。ただ、日本で同じ対応ができるかといえば難しい。生きること=死なないことという意識が強い日本では、こうした対応を取れば社会的な非難を受けることになりかねない。


報道などを見ていると、その根底には感染症対策は政府の対応の優劣という価値観が見え隠れするのだが、依って立つ社会の価値観や国民的なコンセンサスの違いがある以上、比較は難しいのではなかろうか。

ただ、全般として、感染を抑え込もうとして強権を発動すると、経済的損失や解除後のリバウンドが大きいようであり、社会自体が感染症に強い体質にならないと今後の危機を乗り切ることが難しくなるのではなかろうか。

Comments


© 2023 フロンティア資産評価研究会 - Wix.com で作成されたホームページです。

  • Black Facebook Icon
  • Black Twitter Icon
bottom of page