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執筆者の写真Frontier Valuation

リノベーション機械が登場した。どうする評価人?

更新日:2019年11月7日

板紙 段ボール新聞 のFacebookページに「リノベーショングルア」と呼ばれる機会が紹介されていた。 グルアというのは段ボールの貼合に使われる糊付けの機械である。 段ボールはご存じのように2枚の平板の中に波板をサンドする構造になっており、平板と波板は糊で貼り合わせてある。その糊付けに使われるのがグルアである。   ■建築・不動産分野ではお馴染みの用語 一方、リノベーションは不動産の世界などで最近は多用される造語で、一般的には大規模なリフォームや、用途転換を伴うリフォームをなど指すことが多く定義が曖昧である。 ただ「リフォーム」+「イノベーション」の造語であるので、技術革新や様式の現代化を織り込んだリフォームが本来の意味ではないかと思う。

リノベーショングルア(日本紙工グループの資料より)

そうした意味を考えると「リノベーショングルア」は「リノベーション」のど真ん中を行くものである。 この「リノベーショングルア」を開発したのは日本紙工機械グループで、古いマシンを部品単位まで分解し、新たな機能を搭載して組み直し新造品に比べて1/2程度の価格で最新機能を持ったマシンを手に入れることができるという。 ■機械設備評価に与える影響 画期的な発想であるが、機械設備の評価上もなかなか面白いものである。 コストアプローチにおいてリビルドを考える基本としては、新品の状態にどこまで戻せるかで判断する。しかしながら、リノベーション機の場合ベースマシーンの性能を超えて最新機器に近づけるのだから別の発想が必要である。 また、新造品との比較もコストアプローチにおいては重要な考慮ポイントであるが、新造品より大幅に低いコストで新造品と同じ生産能力を手に入れることが可能であれば、新規再調達コストの概念と同整合性をつけるかという問題が出てきそうである。 また、耐用年数もどう設定するか、知恵を絞る必要がある。 製造業はコスト競争が激しく技術的な進化も早い。また、特に日本は経済的に衰退途上にあり、余剰生産能力を削減していくことが課題であり、リソースを使って次々に新造機を生み出すよりも持続可能性という観点からも望ましいと言える。 ASAの機械設備評価理論も右肩上がりを前提にしていると思われる部分が多い。国際的な整合性の問題もあるが、日本で生まれたこうした流れを国際基準と調和させてゆくのは日本の評価人の仕事ではなかろうか。

 

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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