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執筆者の写真Frontier Valuation

小規模太陽光発電施設の新規参入抑制。小規模施設の選別が始まる。

28日の日本経済新聞朝刊が、経済産業省は小規模事業者による太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)について2020年度以降の新規参入分は余剰電力のみに限定すると報じている。対象となるのは店舗や工場の屋根などに設置される10kw以上50kw未満の小規模事業者である。


メガソーラーなど大規模な太陽光発電事業については既に入札制が導入されている。

記事によれば、経産省は事業用太陽光の内10kw~50kw未満の小規模太陽光は導入件数で全体の9割超と大半で、発電容量でも全体の3割を占めるが、小規模太陽光施設は大規模施設より安全規制が緩く、低コストでパネルを設置できるため、多数の業者が参入があったとしているという。

この結果、固定価格での電力買取費用が膨らみ、19年度には総額約2.4兆円に達したことから、今回小規模事業者の買取量の限定にも乗り出した格好だ。


こうした流れはまだ始まったばかりであると見られる。経産省では50kw以下の小規模太陽光施設(低圧施設)の安全性について懸念を持っており、ガイドラインの作成を通じ安全規制の強化を今までも行っている。多大な国民負担を課す一方で大規模施設に比べてコスト高になりやすく安全性に劣る施設が全国至る所で乱造されている現状は看過できない状況であると考えているようだ。


今後も規制は強化される可能性が高い。低圧施設の現状について、実態調査が始まっており一説によれば低圧施設の9割は何らかの不備があると見られているようだ。特に安全性に劣る施設については今後、固定価格買取認定の取消や厳しい是正措置の発動などが打ち出される可能性が高い。固定価格買取制度は広く国民の負担で成り立っており、これを理由にすれば固定価格買取認定の取消について合理的な説明が可能であり、実施される可能性は高いと考えられる。

一方で、近年台風による大規模停電が相次ぎ、小規模太陽光発電施設が地域の貴重な電源として地産地消の自立型電源として活用できる可能性にも注目が集まっている。政府も再生可能エネルギーのシェアを高める政策目標を掲げており、低圧施設の全てが排除されるというわけではなさそうだ。 低圧物件は安全・優良で地域に貢献できる施設を指向するべきだろう。

 

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