4月21日の日経新聞で「林業再生 データの力」とのタイトルで、デジタル技術の応用で心経に新たな動きが生まれつつあることが伝えられている。 日本の林業は急峻な山地で行われることが多く、搬出には多くの手間とコストを要することから、輸入材に押されて長年低迷が続いていた。国内の林業は補助金によって森林の手入れを行うことに重点が置かれてきたという。
近年、戦後の復興期に植林された木が伐採期を迎えてきたため、山に木はあるが伐採ができなくて使えないという声も聞く。こうした問題を近年発達したレーザー測量やIoTを組み込んだ重機、ドローンなどを活用して隣地の測量を行ったり、高価に売却できる木を選択して伐採できるようになっているという。 需要の面でもこのところ国内産材が見直され、国内産材を積極的に活用する住宅メーカーもでてきたほか、再生エネルギーの固定価格買取制度の導入で木質系のバイオマス発電の建設が相次いだことも背景にあるようだ。木質系のバイオマス発電は太陽光発電とは異なり、24時間プラントの稼働が可能であることから、問題を抱える石炭火力や原子力発電の一部を代替するものとして期待が持たれている。 持ち直しの動きは見られるものの、依然として林業を取り巻く環境は厳しく、木材産業の生産力を向上させる努力はまだまだ必要である。デジタル化による林業再生はまだまだ緒に就いたばかりではなかろうか。
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